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事業してる人用の融資ってどんなものがあるの?
今回は、事業性(仕事用)の融資についてです。
「自分には関係ないや」と思う方もいるかもしれませんが、いつか独立して開業する日が来るかもしれませんので知っておいて損はないと思います。

ハードルが高いと思い込んでいる人が多いですが、独立・開業はそんなに難しくないです!
融資の種類
まずは、融資の種類からざっくり解説していきます。
プロパー融資
プロパー(proper)とは「正当な」「本来の」という意味です。
新卒入社の社員を「プロパー社員」と呼んだりしますよね。
プロパー融資とは、保証会社をつけずに、100%銀行が責任を負った融資で債務者(借りる人)と銀行が交渉し、個別に融資条件を設定するものです。
債務者一人一人に合わせたオーダーメイド融資と言うとわかりやすいかもしれません。
しかし、銀行が100%責任を負う(お金を返してもらえなくなったら、銀行が100%被害を負う)ということは、銀行からするとリスクが大きいです。
そのため、プロパー融資は信用の高い企業だけを対象としています。

プロパー融資は、ある程度の金額を超えたり、金利が低かったりすると、本部に許可を取る必要があり、本部用の稟議を作成します。
地方自治体の制度融資

じゃあ、小さい会社や個人事業主は借りられないじゃん!
大丈夫!もちろんそんなことはありません。
プロパー融資を利用できない方には、地方自治体が用意している融資の制度を利用するのが一般的です。
債務者が、制度融資の申込条件に適合していれば利用できます。とは言え、お金を貸すのは銀行なので、融資条件に適合していても、銀行側の審査で引っかかってしまう場合もあることも申し添えておきます。
制度融資には、基本的に信用保証協会の保証が付くことが条件となっています。
先ほどのプロパー融資と違って、保証協会という保証機関が付くことで、お金を返してもらえなくなっても、100%銀行負担ではなく、保証協会が(銀行側に責任がなければ)ある程度負担してくれるというシステムです。
これは、銀行側にとってのメリットです。保証協会も慈善事業じゃないので、もちろん料金が発生します。この信用保証料を支払うのは、銀行ではなく債務者です。

銀行は、「保証協会つけるなら、お金貸してあげるよ」というスタンスです。
家を借りる時に保証人を立てるのと同じですね。
お金を借りたときに、信用保証料が引かれた状態で振り込まれます(一括支払)。
なので、「100万円借りたのに85万しか振り込まれてない!」と思うかもしれませんが、それは信用保証料や、その他手数料、印紙代等が引かれた金額なのです。

金銭消費貸借契約書(通称:金消)には、金額に応じて収入印紙を貼らなければなりません。
政府系金融機関
民間の金融機関以外での借入は、政府系金融機関である日本政策金融公庫を利用します。
馴染みがないかもしれませんが、民間とは異なる制度があったり、時勢に則した商品があったりしますので、利用を考えてみるのもいいかもしれません。
いざ借入!
さて、実際にお金を借りよう!となったら、とりあえず、
- 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード、保険証)
- 決算書3期分or確定申告書3年分
を持って金融機関の融資窓口に行ってみましょう。
機械を買いたい場合は、その機械のパンフレットや、事業内容を伝えるために自社のパンフレットなどがあればより良いでしょう。

最初の相談の段階では、それで充分です。その後に必要なものは担当者が教えてくれます。
売上が入金される口座を返済口座に設定していると、毎月いちいち返済額を移さずに済み、返済が楽なので、普段使いしている金融機関の方が使い勝手が良いと思いますが、担当者の対応や金利次第で色々と比べてみてもいいと思います。
それと相談する中で決めていっても構わないのですが、ある程度自分の中で
- 何に使うのか?
- いくらくらい借りたいか?
- 毎月の返済金額がいくらくらいなら問題ないか?(これによって返済期間を決めます)
この3つをあらかじめ決めておくと話がスムーズに進むと思います。
「すぐに申込みたい!」という場合は、金融機関に問い合わせて必要なものを確認の上、行ってみてください。
金利については、初めての融資だと大抵は上限いっぱいで設定されることが多いかなという印象です。(もちろん、事業内容や業績によっては低金利で借りられるかもしれませんが)
信用を重ねていけば次に借りる時には金利が安くなる可能性があります。もしくは、金融機関側がノルマの関係で「お金を貸したい」という状況であれば、交渉次第で安くなるかもしれません。
ここだけの話、金融機関の決算期は3月が一般的なので、2月、3月は金融の営業マンも数字を上げるためにがむしゃらになっています。そこに「借りたいけど、金利がなぁ…(チラッ」って感じで話をすると上司に掛け合ってくれる可能性があります。

でも、あんまり足元を見すぎるとシンプルに嫌われるので気を付けましょう。
また、初めての借入では、データが何もない状態からのスタートなので、通常よりも若干時間がかかりますので注意しましょう。基本的には1か月も見ておけば充分です。
事業を立ち上げる前段階や、立ち上げてから1年以内の会社役員もしくは個人事業主の方は「創業支援融資」という制度が利用できることが多いです。
まだ、事業の結果が出ていない場合は、事業計画書という「これからこういう事業をして、これくらいの売上で、これくらいの利益で…その根拠は…」といった書類を書くことになります。
面倒くさがる方が非常に多く、ぶっちゃけ丸投げされることも多々ありましたが、本当に成功を目指し、計画を持って起業している人であれば、余裕で作成できます。
実際、こちらから依頼する前に、自分で調べて作成したものを持参してきた方たちは、頭の中のイメージだけでなく、今後の事業展望を言語化できていたので、その後の事業も上手くいっている印象でした。
もちろん書き方が分からない部分は、担当者に相談しましょう。そのための金融機関です。

そこで邪険にされたら、別の金融機関にしちゃいましょう!親身でない担当者から借りようとすると、トラブルになったりイライラして嫌な思い出になったりするのでおすすめしません。
最後に
さて、今回は「事業性の融資」について解説していきました。
少しマニアックなお話になってしまいましたが、事業をされている方は参考にしていただけると幸いです。
この記事が、皆さんの新たな可能性の気付きの一助となれば幸いです。
今回の記事は以上です。知識という武器を身に着けて、今後も資産を増やしていきましょう!
次回も私と一緒にお金の勉強をしましょうね!