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SNSを見るとお金持ちがたくさん。年収1千万なんて当たり前なのかな?
最近、ネットや雑誌で「年収1千万円は当たり前」とか「今どきはみんなそんなもんだ」といった話を耳にすることが多くなりました。でも、実際のところ、日本で働く我々の平均年収や、家計の貯蓄事情はどうなっているのでしょうか?今回は、数字や統計をもとに、ざっくりと現実を見つめ直してみたいと思います。リラックスして読んでいただければ嬉しいです。

SNSに毒されすぎ。
1.日本の平均年収ってどれくらい?
よく「年収1千万」が話題に上がりますが、実際に統計を見ると日本の平均年収は意外と控えめな数字になっています。厚生労働省や国税庁の発表によると、正社員の平均年収はおおむね400~500万円前後。業種や地域、年齢によってはもう少し高い場合もありますが、世間一般に流布している「1千万」という数字とはかなりギャップがあるのが現実です。
もちろん、企業によっては年収1千万円を超えるポジションも存在しますが、それは管理職や専門性の高い職種、または大企業に限られることが多いです。中小企業や非正規雇用の場合、年収がもっと低くなるのも事実。だから、「みんな年収1千万なんて常識だ」と考えるのは、どうしても一部の成功例や特異なケースを見ての印象なのかもしれません。

現実はそんなに甘くない…。
2.平均年収の背景にある格差と実情
日本は一見すると平等な社会のように思われがちですが、実は年収にも大きな幅があります。年齢が上がるごとに昇給が期待できる一方、若手のスタート年収は低めで、また非正規労働者や派遣社員の存在が平均値を下げる要因にもなっています。さらに、地域差も大きく、首都圏や大都市圏では平均が上がる一方、地方では低い傾向が見られます。
また、男女間の賃金格差も根強い問題です。女性は育児や家庭との両立などでキャリアの中断があったり、正規雇用に就きにくい傾向があったりするため、平均年収は男性に比べ低めになるケースが多いです。こうした背景があるため、年収の「平均値」という数字だけで日本経済の実態や個々人の生活状況を語るのは難しいと言えるでしょう。

平等に向けて動いていますが、なかなか難しいのが現状…。
3.貯蓄事情はいかに?
年収の話題に続いて気になるのが「貯蓄」。実は、平均貯蓄額も世間のイメージとは少し違った現実があります。日本では、家計の貯蓄が比較的多いという話をよく耳にしますが、これも実は家庭の形態や年齢層によって大きく異なります。
例えば、結婚して子供がいる家庭や、定年を迎える世代では「老後に備えて」と意識して貯蓄を積み立てる傾向が強く、貯蓄額も多くなる傾向があります。一方、若い独身者や新婚家庭の場合、まだ大きな貯金ができていないケースも少なくありません。国全体のデータを見ると、世帯ごとの平均貯蓄額は数百万円から1,000万円程度と言われることが多いですが、一概に「こんな数字」というのは難しいのが実情です。
また、実際のところ、平均値という数字は極端に貯蓄をしている層と、ほとんど貯金がない層が混ざっているため、中央値を見るともっと現実的な数字になる可能性があります。実際、若い世代ほど貯蓄が少ないという統計もあり、将来的な不安を感じる人も多いのが現状です。

貯金の中央額はおおよそ、20代は100万円、30代は355万円、40代は500万、50代は600万…といったところ。
4.「年収1千万」が話題になる背景
では、なぜ「年収1千万」という数字がこれほど注目されるのでしょうか?一つの理由として、SNSやネット上で成功例が目立つことが挙げられます。成功した起業家や高収入の専門職の話はメディアに取り上げられやすく、結果として「これが当たり前なんだ」という錯覚を生むことがあるのです。
また、企業の年収アップや昇進、キャリアアップの話題は多くのビジネスマンにとって魅力的なテーマです。そのため、「こんな数字を目指せばいいんだ」というモチベーションに繋がる一方、実際には全体の平均値とはかけ離れた話題であることもしばしば。経済的な成功を目標に掲げるあまり、現実の平均や中間層の実情を見失ってしまうケースもあると言えるでしょう。

SNSに触れる機会の多い子供たちが、「お金の価値」を勘違いしてしまいかねない状況…。
5.現実を見据えたキャリアと家計の考え方
では、私たちがすべきはどうしたら良いのでしょうか。まずは、自分自身のキャリアプランやライフスタイルをしっかりと見極めることが大切です。もちろん、「年収1千万」を目指すのは素晴らしい目標ですが、それがすべてではありません。
自分のスキルや業界の動向、さらには家庭環境や将来のライフプランを踏まえた上で、無理のない計画を立てることが必要です。また、貯蓄に関しても、収入の大小にかかわらず、日々の支出の見直しや投資、資産運用といった手法を取り入れることで、将来の安心を確保する方法はたくさんあります。
特に若い世代の場合は、今からでも将来設計を考え、少しずつでも貯蓄や投資に取り組むことが大切です。逆に、既にある程度の収入を得ている方は、将来のリスクに備えて資産の分散や効率的な運用を意識するのも良いでしょう。数字だけに囚われず、実際の生活や将来設計にどう繋げるかが重要です。

「他人と比べる」のが一番無意味です。自分のできる範囲内で充分豊かな生活はできます。
6.まとめ
今回の記事では、「年収1千万が当たり前?」というタイトルのもと、日本の平均年収や平均貯蓄額についてざっくりと振り返ってみました。現実の統計を見ると、一般的な正社員の年収は400~500万円前後、貯蓄額も家庭や年齢層によって大きく異なります。SNSで見かける成功例と実際の数字には大きな隔たりがあり、どちらかに振り回されるのではなく、自分自身の生活設計をしっかりと見据えることが大切です。
もちろん、夢や目標を持つことは大切ですが、数字に惑わされず、自分に合ったキャリアと家計管理を実践していくことこそが、長い目で見たときの本当の豊かさにつながるのではないでしょうか。皆さんも、現実の数字をしっかりと把握しながら、自分らしい働き方や暮らし方を模索していってほしいと思います。
この記事が、皆さんの新たな可能性の気付きの一助となれば幸いです。
今回の記事は以上です。知識という武器を身に着けて、今後も資産を増やしていきましょう!

次回も私と一緒にお金の勉強をしましょうね!