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イギリスがEU脱退してしばらくニュースになっていたけど、どゆこと?
イギリスのEU離脱、つまり「ブレグジット」は、国際政治・経済の大きな話題でしたよね。でも、具体的に何がどう変わったのか、そもそもEU自体がどういう組織なのか、よくわからないという方も多いはず。そこで、今回は初心者向けにEUの基本から、ブレグジットがもたらした変化について、わかりやすく解説していきます!

EUだのASEANだの横文字ばっかりでどれがどれだか混乱するわい!
そもそもEUってなに?
EU(European Union:ヨーロッパ連合)は、ヨーロッパ各国が政治的・経済的な協力関係を深めるために作られた地域組織です。戦争で荒廃したヨーロッパを再建し、平和と安定を実現するために、1950年代に「欧州石炭鉄鋼共同体」や「欧州経済共同体」といった形でスタートしました。のちに加盟国が増え、政治的な連携も強化され、現在では27カ国が加盟しています。
EUの目的は大きく分けて3つあります:
- 平和の維持と繁栄の促進
国境を越えた協力や共通のルール作りを通じて、加盟国間の対立を防ぎ、安定した環境を作ることを目指しています。 - 単一市場の形成
商品、サービス、資本、労働の自由な移動を実現することで、経済の発展を促進しています。これにより、消費者にとっては多様な商品が手に入り、企業にとっては広大な市場でビジネスができるというメリットがあります。 - 国際的な影響力の強化
経済だけでなく、環境問題や人権など様々な分野で、世界の舞台において共通の声を上げるための枠組みとしても機能しています。
EUは加盟国に対して共通の法律や規制を設け、自由貿易や労働移動などの恩恵を提供する一方で、加盟国間で一定の主権の共有も求められています。つまり、一国だけではできない大きなプロジェクトや取り組みを実現するための「連帯の仕組み」と言えるでしょう。

ヨーロッパという地域単位の町内会みたいな感じか。
ブレグジットって何?
さて、そんなEUの中で、2016年にイギリスは国民投票によってEUからの離脱(ブレグジット)を決定しました。なぜイギリスはEUから離れることにしたのでしょうか?
イギリスが離脱を選んだ背景
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主権の回復
多くのイギリス国民は、EUの規則や法令が自国の意思決定に影響を与えすぎていると感じ、「自国の法律やルールを自分たちで決めたい」という思いが強くなっていました。特に、移民政策や法執行に関して、EUの統一的な規制が国内の問題解決の妨げになっているとの懸念がありました。 -
経済的な負担感
EUへの拠出金や共通政策に対して、「自国の税金が無駄に使われている」という批判も根強かったです。これにより、特に保守的な層や地方部では、EU離脱を支持する声が高まりました。 -
アイデンティティの問題
ヨーロッパ全体と一体感を持つことに抵抗を感じ、より「独自の国民国家」としての誇りを取り戻したいという意識もありました。
こうした背景から、国民投票で離脱が選ばれ、結果的に2020年1月31日にイギリスはEUを正式に離脱しました。

ん~、まぁ気持ちは分からなくもないけど…。
ブレグジットで何が変わった?
ブレグジットがもたらした変化は、政治、経済、そして社会の各方面に及びます。ここでは、特に大きな変化とその影響を見ていきましょう。
1. 貿易と経済関係の再編
単一市場からの離脱
イギリスはEUの単一市場と関税同盟から離れたため、EU加盟国との間で新たな貿易協定が必要になりました。結果として、貿易に関しては新たな関税や規制が生じ、以前のようなスムーズな商品移動が難しくなるケースも出ています。企業にとっては、輸出入のコストや手続きが複雑化し、経済全体に影響を与えました。
金融市場への影響
ロンドンは長年、世界有数の金融センターとしての地位を築いてきました。しかし、EU離脱後、EU域内での金融サービスのアクセスが制限される懸念が出始め、一部の金融機関は欧州本土への拠点移転を進める動きも見られました。
投資環境の変化
不透明感から一時的に外国投資が減少する局面もありましたが、イギリス政府は投資環境の改善に向けた政策を打ち出すなど、経済再編に向けた努力が続けられています。

画一化されていたルールから飛び出したので当然新たなルールが必要です。
2. 移民政策と労働市場
EU内での自由な移動が制限されることで、イギリスは自国の移民政策を再設定することになりました。これは、労働市場における人材の流動性に大きな影響を及ぼしました。農業や医療、サービス業など、一部の業界ではEUからの労働者が減少した結果、慢性的な人手不足に陥る現象も発生しています。
また、移民に対する考え方が国内でより厳格になったことから、国民の間でも「外部からの影響」についての議論が活発になり、社会全体に新たな議論の火種となっています。
3. 政治と法制度の変化
国内法の再編
EUの法律や規則がイギリス国内に直接影響を与えていた部分は、離脱後に自国独自の法体系に組み替えられる必要が出てきました。これにより、既存の法律の見直しや新たな法律の制定が進められ、政治の場でも大きな変革が進行中です。
スコットランドと北アイルランドの動向
特に注目すべきは、ブレグジット後にスコットランドや北アイルランドでの政治的動向が活発になった点です。スコットランドでは、EU残留を支持する声が根強く、再度の独立を求める動きが強まっています。また、北アイルランドでは、EUとの国境問題が再燃し、平和協定(グッドフライデー協定)への影響が懸念される事態となりました。

国民投票で決まったとはいえ、当然、みんなが賛成でハッピーというわけにはいかないですよね。
4. 社会と文化への影響
国民感情の変化
ブレグジットは単なる経済や政治の問題だけでなく、国民感情にも大きな影響を与えました。離脱支持派と残留支持派の間で意見が激しく分かれ、国民の間での対立や分断が深まった感覚もあります。メディアやSNSでも激しい議論が交わされ、国民のアイデンティティや未来に対する不安が露呈する一面もありました。
文化交流と旅行の影響
EU加盟国との間で築かれてきた文化的な交流も、規制の変化により一部影響を受けています。旅行や留学、ボランティア活動など、これまで自由に行われていた交流プログラムが見直されるケースも出ており、ヨーロッパ全体の「一体感」にも影響が及んでいると言えます。

「足並み揃えて同じルールで頑張ろうね」と言っていたのに1国だけ脱退したら変な空気にもなるわな。
まとめ:ブレグジットは終わりなき変革の始まり
イギリスのEU離脱は、一見すると「決着がついた」と思われがちですが、実際は新たな課題と変革のスタートでもあります。経済、政治、社会、文化といった各分野で、まだまだ調整が必要な部分が多く、今後もその影響は長期間にわたって現れていくでしょう。
EU自体も、ブレグジットを機に自らの在り方を再検討する契機となり、内部改革や拡大戦略の見直しが進められています。ヨーロッパ全体の未来にとって、今回の出来事は避けられない変化であり、各国がどう協力して新たな秩序を築いていくのか、今後の動向に目が離せません。
私たち一般市民にとっても、ブレグジットは遠い話ではなく、身近な経済活動や生活環境に直結する問題です。ニュースやSNSで目にする情報に惑わされず、基礎的な知識をしっかり持っておくことが、今後の変化に柔軟に対応するための第一歩になるでしょう。
最後に、ブレグジットを通じて浮かび上がったのは、「国境」や「主権」というテーマの重要性です。グローバル化が進む現代において、国家間の協力と自国の独自性のバランスをどう取るのかは、世界中の国々が共に模索する課題と言えます。私たちも、この大きな流れの中で自国や地域、そして個人としてどんな未来を望むのか、じっくり考える良い機会かもしれませんね。
以上、今回はイギリスEU離脱(ブレグジット)とEUについて、ざっくりと解説してみました。少しでも皆さんの理解の助けになれば嬉しいです。今後も国際情勢は目まぐるしく変化していきますが、基本をしっかり押さえておくことが、どんな情報にも振り回されずに済むコツだと思います。
この記事が、皆さんの新たな可能性の気付きの一助となれば幸いです。
今回の記事は以上です。知識という武器を身に着けて、今後も資産を増やしていきましょう!

次回も私と一緒にお金の勉強をしましょうね!